Q.通勤や通学途中に、急にお腹が痛くなり、トイレに行きたくなることがあります。又、大事な会議や試験の前など、緊張するとすぐに下痢や便秘を繰り返してしまいます。
過敏性腸症候群(1BD)が疑われます。ストレスの多い現代社会に急増している病気のひとつです。
若い年代にも多く見られ、日本人の10人にひとりともいわれています。
Q.便のことが気になって、電車やバスを利用したり人の多いところに外出するのが不安な時があります。物事に集中できないので、仕事や授業にも不安がつきまとってしまいます。
過敏性腸症候群とは、腹部不快感を伴う便通異常が繰り返し起こる症状の病気で4つのタイプに分類されます。
下痢型(泥状便や水様便が多いタイプ)
便秘型(硬い便が多いタイプ)
混合型(下痢と硬い便を繰り返すタイプ)
その他(当てはまらないタイプ)
ただし、器質的疾患(きしつてきしっかん)がないことが重要です。
Q.器質的疾患(きしつてきしっかん)とは何ですか?
過敏性腸症候群と良く似た症状をきたす病気は多くあります。一般的にレントゲン検査や内視鏡検査などで診断される病気のことを器質的疾患と呼びます。
[熟別すべき器質的疾患]
大腸ポリープ、大腸がん
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
感染性腸炎(腸結核、アメーバ腸炎、備膜性腸炎など)
糖尿病、甲状腺機能障害
パーキンソン病、パニック障害
慢性膵炎、肝炎・肝機能障害
子宮内膜症などの婦人科疾患
日常の内服薬の副作用(痛みどめ、潰瘍のくすりなど)
Q.どのような治療法がありますか?
ライフスタイルの改善に取り組みましょう。
ストレスを減らし、スポーツや趣味で気分転換を行い、散歩等も良いでしょう。
規則正しい食生活を心がけ、暴飲暴食(アルコール類、刺激物)は避けましょう。乳製品を控えめにして、食物繊維を摂りましょう。
日常生活を見直して、十分な睡眠をとりましょう。喫煙を控えましょう。
朝食後は、便意がなくてもトイレに行く習慣をつけましょう。
Q.どのような時に精密検査が必要ですか?
発熱・関節痛、湿疹の症状がある方
体重減少、便に粘液や血液がまじることのある方
50歳を超えて症状のある方などは、他の病気が考えられますので、精密検査が必要です。
腹部症状を改善する漢方薬や新薬もあります。
専門医に相談しましょう。