Q.肝臓の働きは何ですか?
肝臓は右上腹部からみぞおちのあたりにある内臓の中で一番大きな臓器です。
肝臓には大きく4つの作用があります。
①食事からの栄養素を体で使える形に変えたり、貯えたりします。
(代謝作用)
②アルコールや薬物などの体にとって有害な物質を分解します。
(解毒作用)
③コレステロールから胆汁酸を生成して胆汁をつくります。胆汁は腸内に流れて、脂肪の消化吸収をおこないます。
(胆汁生成)
④古い赤血球から作られるビリルビンを胆汁に排泄します。
(ビリルビンの代謝・排泄)
Q.血液検査で肝臓が悪いといわれたのですが?
肝機能障害は実に多彩です。
大きく分けると肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝ガンなどがあります。原因はウイルス感染、自己免疫によるもの、先天的なもの、生活習慣による栄養過多・アルコール多飲などが考えられます。
健康診断でALT(GPT)、AST(GOT)の異常が指摘されれば必ず専門の医療機関で肝炎ウイルスの有無や超音波検査などの精密検査を受けましょう。
Q.特に自覚症状もないのですが?
肝臓は『沈黙の臓器』と呼ばれています。肝臓の病気は、症状がでにくいのが特徴です。ひどくなると食欲の低下、手のひらの紅斑、体幹の血管腫、腹水、黄疸、食道・胃静脈瘤からの吐血、意識障害(肝性脳症)などがあります。
現在は非アルコール性脂肪性疾患(NAFLD)から脂肪肝炎(NASH)となり、肝硬変へと進行することが知られています。
Q.どのような食事療法や治療法があるのですか?
食生活の基本は、規則正しい食事をとることです。
慢性肝炎の方は、高栄養、高タンパクの食事の摂取、食後の安静に心掛けましょう。
治療法には、ウイルスを排除するインターフェロン療法やウルソデオキシコール酸が含まれた錠剤、ビタミン剤なども使用することがあります。
「治す」というしっかりとした意識をもって治療に取り組みことが大切です。
不安なことがあれば消化器科の専門医に相談しましょう。