Q.どのような人が食道がんにかかりやすいのですか?
40才後半になると急に食道がんにかかる方が増えます。特に女性よりも男性に多く、5倍以上とも言われています。喫煙と飲酒は危険因子です。お酒を多く飲む人(濃い酒、ワイスキー、焼酎のロックなど)や飲酒するとすぐに赤くなる人(フラッシャー)は、食道がんになりやすい傾向にあります。
Q.どのような自覚症状がありますか?
初期の食道がんは自覚症状がほとんどありません。のどの違和感や食べ物がのみ込みにくい・痛みがあるなどの症状が出た頃にはすでに進行している場合がほとんどです。
ひどい場合には食欲低下、胸痛、吐血・下血、喀血(かっけつ)することもあります。進行がんでは鎖骨リンパ節腫大や反回神経麻痺による嗄声(させい)を認めます。
Q.どのような検査法がありますか?
早期がんで発見するためには内視鏡検査が必要です。進行したものでは、食道透視、CT・MRI検査、PET検査、超音波検査などを行います。また、食道がんの90%以上が扁平上皮がんであることから、腫瘍マーカー検査(CEA、SCCなど)も行われます。
Q.どのような治療法がありますか?
早期がんの場合は内視鏡による切除が可能です。進行した場合は、標準的には右の胸を開けて(開胸)食道を切除し、胃を上の方に持ち上げて、くっつけ(胃管再建)ます。
ただし、最近では開胸せずに行う手法もあります。術後には、抗がん剤治療、放射線治療を併用することがあります。ただし、節水蒸炎などの合併症も多く、他の臓器(肝臓、肺、骨、脳など)に転移しやすく治療は困難です。
Q.どのようにすれば予防できますか?
熱い食べ物や刺激物、濃いお酒をひかえましょう。喫煙にも注意が必要です。早期発見が重要となりますので、症状がなくても定期的な内視鏡検査を受けられることをおすすめします。胃透視(バリウム検査)では早期発見はほぼ不可能と思われます。内視鏡専門医のもとで検査を受けましょう。